サステナビリティ担当役員メッセージ
環境対応に向けた投資を積極的に展開するサステナビリティ経営
当社グループのサステナビリティ経営は、事業の成長戦略と並ぶ両輪であり、持続的発展と企業価値向上に欠かせない重要な取り組みです。環境面では、2024年度から気候変動に関するCDPの要請に対応し、これと合わせてなるべく早い時期にTCFDに基づく情報開示を進めたいと考えています。
GHG排出量(Scope1,2)の削減は、2013年度比で30%を達成しました。事業拡大局面ということもあり、一昨年からは若干の悪化となりましたが、GHG排出量売上高原単位では42.2%と着実に削減しています。2025年度は、㈱エーアンドエー茨城での大型投資として、GHG排出量を7割まで削減できる設備の更新による効果が見込まれています。
従来ならば、経済的メリットがなければ踏み切らなかった環境投資案件も、GHG排出量削減など社会の持続可能性につながるものであれば「その投資はやるべきだ」という意識が経営層に深く定着してきたと実感しています。この流れでサステナビリティ経営を進めていけば、「CSR2033」に掲げた目標の達成に着実に近づいていけるのではと感じています。
産業廃棄物の削減では、産業廃棄物の再生利用率85.4%と、2026年度の目標を前倒しで達成しました。当社はこれまでアピールしてきませんでしたが、機能面や材料で環境対応を訴求できる製品やサービスが多くあります。例えば、塗料を使わずセメントの素地の風合いを表現した「BEoNA」は耐久性もさることながら、廃棄処分する際、壁紙などを用いる内装材と違い、手間のかかる分離作業が必要ありません。当社グループ製品の環境配慮の特性や機能を前面に打ち出したPRや営業の強化を図りたいと考えています。
従業員の成長を引き出す人的資本強化
社会面での対応は、2024年10月に健康宣言を策定し、サステナビリティ推進委員会を経て「健康経営推進室」を設置しました。ヘルスリテラシー研修やアプリを活用した健康増進ツールの提供など多方面から、従業員とその家族の健康保持・増進施策を進めています。
また、人事施策として4月から「原則転勤なし」「キャリアパスを支援」「様々な働き方の支援」を柱とした人事制度をスタートしました。これらは若手・中堅従業員を中心としたプロジェクトから生まれたものです。彼らの声に耳を傾けると、人事異動の明確な説明やキャリアについて、上司と率直に語り合える機会が少ないと感じていることが伺えました。管理職、従業員それぞれに向けた研修、さらに資格取得報奨金の改善など従業員が当社で明確なキャリアパスを描く支援を充実させたいと考えています。
多角的かつ公正なガバナンスで企業価値向上に努める
コーポレートガバナンスは、内部統制部および法務部による各支店・営業所の監査、視察を行う実地巡回を2年に1回のペースで行っています。その都度、ガバナンス関連の勉強会・研修を実施して情報をアップデートしています。また、社内通報窓口「ヘルプライン」についての説明も行っています。
品質管理に関しては、当社グループは厳格な基準を設けており、社内検査だけでなく、外部の認定機関での試験や社内の代替試験など厳格な検査も定期的に実施しています。性能や品質が認められなかった場合、取締役会に報告し、迅速に是正を図る体制を取っています。
取締役会では、取締役2名、監査役2名の社外役員を選任しており、経営について忌憚ないご指摘やご助言をいただき、それぞれの分野からガバナンス強化や企業価値向上に力添えをいただいています。
今後も当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献する経営を深化させるとともに、「熱をコントロールする技術」をあらゆる分野に展開することで社会課題解決に貢献し、社会全体やステークホルダーの皆様に感謝される企業でありたいと考えています。当社グループの取り組みを積極的に発信することで、ファンやリピーターになっていただける方々を増やしていき、サステナブル経営をさらに進化させていきたいと思います。
サステナビリティ推進体制・ガバナンス
当社グループは2021年12月より、サステナビリティ推進委員会を設置しています。
本委員会は代表取締役社長を委員長とし、環境部門、社会部門、ガバナンス部門に分類してそれぞれに専門部会を配置する構成としています。
本委員会では、サステナビリティに関する目標や戦略を審議し、年間の事業計画を立案、運用いたします。また原則として年に1回、サステナビリティ推進委員長が全体の取り組み状況を評価し、必要に応じて見直しの指示を行います。
企業を取り巻く環境は大きく変化しており、気候変動関連をはじめとする重要な経営課題があらためて認識されています。本委員会の設置は、今後のサステナビリティ経営推進の新たな枠組みを構築することを目的としたものです。