財務担当役員メッセージ

やや積極性に欠けた「2023中期経営計画」
「2023中期経営計画」の期間中は、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行、国際情勢の不安定化による原材料・エネルギーコスト高騰などの影響で、最終2023年度の業績は、売上高412億円(目標値430億円)、営業利益23億円(同30億円)、営業利益率5.6%(同7.0%)と、目標値には惜しくも届きませんでした。
実は「2020中期経営計画」の時点で、生産性向上に向けた合理化や、不採算製品絞り込み等により、既に当社の営業利益は30億円超を達成していました。そこで「2023中期経営計画」では、さらに事業拡大をテーマに挙げたのですが、コロナ禍や市況の変化などを考慮しても、あまり積極的な姿勢を取れず、経営層としてはもう少し挑戦する余地があったのではないかと感じています。
営業キャッシュ・フローについては、3年間で累計額60~70億円を創出し投資する計画でしたが、コロナ禍の影響による営業利益の低迷もあり、40億円程度に留まる結果でした。また、そのアロケーションについても当社においての歴史的経緯からか、安定した売上利益と有利子負債削減を優先する保守的な考えに基づいて判断してしまったと言えます。
「2026中期経営計画」では投資拡大で業績アップへ
そこで「2026中期経営計画」では、有利子負債もある程度削減したことから意識改革を行い、次のステップとして積極的な投資戦略に転換します。数値目標も売上高500億円、総利益率25%、営業利益率7%を設定しており、実現には引き続き適正な製品価格への移行と、投資を活用した事業拡大が必須になります。
中でもM&Aは、巻野社長も「借り入れを増やしてでもやる」と明言しており、30~50億円を目安として既に経営企画部と検討を始めています。ただし、当社はM&Aを行っても経営陣を送りこむほどマンパワーに余裕がないため、当面は協働で事業を行い、お互いのシナジーで売上・利益が上がっていくような業務提携に近い形式を考えています。まず、それに見合う条件でM&Aが可能な企業と組むことで、当社の身の丈にあった形からスタートする方針です。
M&A以外の投資では、新たな事業の柱として、環境関連ビジネスへ本格的に参入するため、環境関連10~15億円、開発関連15~20億円の投資を予定しています。
研究開発上の課題である知財戦略については、昨年7月に知的財産部をCREATE本部の傘下に移し、人員を増強するとともに最新の特許分析ツールおよびマーケティング情報を駆使した知財戦略の展開に着手し、さらに社内の知財ポータルサイトを開設しました。また、近年は技術開発研究所や各事業本部の技術系部門に新入社員を厚く配属し、若く新しい感覚を取り入れるように心がけています。
グループファイナンスの導入と投融資情報の共有
グループファイナンスを導入したことで、グループ各社はあまり煩わしさを感じずに、グループ企業間の調整でファイナンスを確保できるようになりました。
その中で、当社が特にコントロールしているのが研究開発テーマと投融資案件です。各社が何の開発を進め、どんな製品、工法に投資するかを毎年グループ全体で一緒に考えるという会議を行っています。
グループでの共存共栄を実現できることが理想であり、高い「熱をコントロールする技術」を持つ当社グループの力を結集すれば、より効果的な研究や投資にもつながるはずです。
株主還元方針について
株主還元に関しては、今のところ配当性向40%を目安としています。この基準を維持しながら、成長投資を行っていくという考えを、株主の皆様にはご理解いただければと思います。その結果は、当然株価をもってお応えすることになっていくだろうと考えております。
まずは、われわれがこの「2026中期経営計画」を成功のうちに収めて、次のステップでさらに明確に配当に反映できるよう企業価値を高めてまいります。